2019年11月28日
こんにちは(*^-^*)
いきいき365 訪問美容部門の坂本です。
外出が困難な利用者様宅に訪問し、カットやカラーなどしております。
医学と理美容、かけ離れた業界に思う方が大半だと思いますが、
じつは歴史的なつながりがあります。
15年ほど前になりますが、私が美容師の専門学校に通っていたときに学んだことです。
昔、“髪を切る”というのはお医者さんの仕事でした。
体の一部を切るという考え方で、外科の延長だったのです。
おしゃれ目的で髪を切るようになるのはもっと時代が進んでから。
それまでは、伸びた爪を切るくらいの感覚だったようですが、それを仕事にできるのは医者だけでした。
ここは医者がいます・髪を切れます、という目印(今でいう看板)に使われていたのは
なんと【血まみれの包帯】。それを玄関先にぶらさげていたそうです。
その名残が、今でも残っています。
床屋さんや美容室の店頭でおなじみのサインポールです。
白・青・赤のくるくる回る柱みたいなアレです。
あれは包帯・静脈・動脈を表しています。
美容師は国家資格ですが、国家試験には実技と筆記があり、
筆記の科目には『医学』もあります。しかも重要科目です。
衛生管理と物理化学もありましたが、それは美容師にとって必要な知識です。
刃物を扱い、色々な人に接するので菌やウイルス別の消毒方法を学ぶことは必要です。
カラー剤やパーマ液など、化学薬品を扱ううえで物理化学も学ぶことは必要です。
が、しかし医学に関しては
『なんで美容師になるのに、こんな勉強が必要なわけ!?』と常々思っておりました・・・(笑)。
教科書で振り返ってみると、習った順に
人体の構造及び機能、細胞と体液、骨格器系、筋系、神経系、感覚器系、循環器系、呼吸器系、
消化器系、泌尿器系、内分泌器系、皮膚の構造、皮膚付属器官の構造、皮膚の循環系と神経系、
皮膚と付属器官の生理機能、皮膚と付属器官の疾患・・・
最後はさすがに皮膚関係が続いてますが、
ほぼほぼ全身を網羅しています。
も~~~めっちゃくちゃ勉強しました。
全身の骨の名前と筋肉の名前は全部覚えるテストがありました・・・。
15年たつ今でも試験問題で覚えてるのがあります。
Q,人体の骨で一番小さい骨は?
A,耳小骨。鼓膜から近い順にツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨
Q,右心房・右心室・肺動脈・肺静脈のうち、動脈血が流れる部位はどれか。
A,肺静脈(その他は静脈血)
Q,アミラーゼ・ペプシン・トリプシン・リパーゼ、それぞれ何を分解する酵素か。
A,デンプン・タンパク質・ペプトン・脂肪
などなど・・・。
知識というより音で覚えているだけですが(;´∀`)笑
医学生とは雲泥の差のかじり程度の医学ですが、それでもしっかり勉強して
それが今の美容師生活に役立っているかと聞かれると、う~んという感じですが(笑)
縁があって今、訪問看護という医療業界に交じって働かせてもらっています。
不思議な巡りあわせといいますか、人生って分からないな~と思いますね。
私は今は美容室で働く美容師ではありません。
訪問専門の美容師として仕事をするうえで大事にしていることがあります。
日々お世話をするご家族の方や介護士さんからはお手入れをしやすいように短くカットするという
要望を多くいただきます。大変なことがとても理解できる思いももちろんありますが、
一番大事なのはご本人様のお好きな長さ、慣れ親しんだヘアスタイルで毎日過ごす事だと思っています。
それが毎日の活気につながり、気持ち良く日々を過ごせることに繋がるんじゃないかな・・・と。
ご本人様の要望と介護者の方の要望、どちらにも寄り添うことを意識しています。
これからもいろいろな出会いを楽しみにしています(^^)/