2020年03月18日
世の中にはたくさんの記念日がありますが、
今日は点字ブロックの日です。
普段、道を歩いていると当たり前のように目にする点字ブロック。
視覚障害者の方が足や白杖をつかって地面の触感を認識し、安全に歩けるようにサポートするためのものです。
この点字ブロックですが、実は日本発祥なんです。
1965年に発明家の三宅精一さんが点字ブロックを考案しました。
その後、岡山県立岡山盲学校の近くの横断歩道の前に点字ブロックを
私費で設置したのが1967年の3月18日。
三宅さんは発明品の中でも特に交通問題に関するものに興味を持ち、数多くの特許も取得しています。
ある日、白杖を持った視覚障害者の人が道を横断しようとする際に、
車にひかれそうになったのを目撃し、
「視覚障害者の安全な歩行」について考えるようになったそうです。
その後、盲人福祉の先覚者の岩橋英行さんと知り合い関わるうちに、三宅さんは
「視覚障害者が自立をするために、単独で安全に歩行できるシステムを日本全国に導入する」
という目標を掲げ、残りの人生をかける決心をします。
三宅さんのアイディアを形にするという大役を担ったのは、当時建築会社に勤務していた弟の三郎さんでした。
ここから三宅兄弟による、壮大なプロジェクトが始まります。
試作を繰り返し誕生した点字ブロック第1号が設置されたのが、冒頭でお話しました1967年3月18日です。
日本初はもちろんのこと、世界でも初めてとなる点字ブロックでした。
ここに設置された点字ブロックは世界各国からも高い評価を得ました。
しかし当時の日本は高度経済成長の真っ只中につき、日本としては経済の発展が第一だったため
国をあげて福祉制度を支えていくという考えには残念ながら至りませんでした。
物語が再び動き出したのは初の点字ブロックが設置されてから3年後の1970年。
三宅兄弟の元に「東京都高田馬場一帯に点字ブロックを採用したい」との連絡が入ったのです。
高田馬場周辺は日本盲人センターや日本点字図書館などの盲人施設が多く、
東京都は同年、高田馬場駅東側一帯を「交通安全モデル地区」に指定するという
初のプロジェクトを立ち上げたことにより、その後点字ブロックは全国へ広がっていきました。
1973年にはオイルショックの影響で経済成長にストップがかかり、
政府も福祉に対する予算をようやく作るようになったことで、点字ブロックの普及はさらに拡大したのです。
三宅精一さん発案の元、弟の三郎さんと二人三脚でJIS化までこぎ着けた点字ブロック。
2012年には『点字ブロックの国際規格は日本のJIS規格に基づいて定める』と決定され、
三宅兄弟が生み出した点字ブロックはついに世界のスタンダードとなり、
今現在も各地に設置され続けています。
「視覚障害者の安全歩行を支える仕組みを作りたい」という熱意が
今では世界の視覚障害者の人々を導くものとなっているのです(^^)
点字ブロックの上に自転車を停めたり、物を置いたりすると、視覚障害者の人は道を塞がれてしまい、
つまづいて怪我をしてしまったり等のトラブルもあります。
視覚障害者の方が安心して歩けるように、健常者はマナーを守らなくてはならないですし、
お互いが過ごしやすい環境を整え、当たり前の事として普及していけば
日本の社会福祉の今以上の発展につながるのでは、と思います(^^)/