2020年04月23日
『ナイチンゲール』と聞くと何を思い浮かべますか?
“白衣の天使” “クリミアの天使” “近代看護の母” などが一般的でしょうか。
クリミアの天使、というのはナイチンゲールが1854年のクリミア戦争に派遣されたことに由来します。
戦況は苦しく、多くの兵士が負傷し、医師や看護師はもちろん医療機器も足りていませんでした。
病人の大群が運ばれて来たら、彼女は24時間ぶっ続けで働き、
怪我人に手当をするために8時間もひざまづいていました。
季節が変るまでの間に2000人の患者の臨終に付き添ったそうです。
その他、食事の世話や掃除・洗濯など身の回りの清潔維持にも手を抜かず、
底抜けの気力体力を武器に、すさまじい働きっぷりだったようです。
と、ここまでは、ナイチンゲールの “天使” の部分の話です。笑
さきほど、「底抜けの気力体力を武器に」と書きましたが、
ナイチンゲールの偉業を掘り起こしていくと、さまざまなものを武器に、
まさに【ナイチンゲール無双】と言いたくなるような豪快な人柄が浮かび上がってきます。
そもそもナイチンゲールはものすっごい裕福な家に生まれ、超がつくほどお金持ち。
戦争の負傷者で病院が満床になった際は
「足りないなら作ればいいじゃない」とポケットマネーで病院を1棟建てました。
医療道具やベッドやシーツ類なども全て、です。
今の価格でいうと、なんと総額50億円ほど・・・(´゚д゚`)スゴイ…!
ちなみに戦時中の病院ではこんなやりとりもありました。
包帯や消毒液などの医療物資が足りず、ナイチンゲールは軍医に
「その箱にある物資を使わせてちょうだい!」と詰め寄るも、
「この箱は会議で承認されないと開かない。そしてその会議は三週間後だ、あきらめろ」と
鼻で笑われあしらわれました。
※当時は看護師が医師に気安く話しかけるなんてできなかったそうなので、詰め寄る時点でだいぶヤバイ(´゚д゚`)
軍医にあしらわれた彼女は、斧を手に取り、箱を破壊しました!!
そして一言。
「承認がなくとも開いたじゃない。貰っていくわね。」
(グーパンチで開けたという説もあります)
あれ・・・?
“天使” はどこ・・・?(´゚д゚`)
ナイチンゲールの残した言葉で
「天使とは、美しい花をまき散らす者でなく、苦悩する者のために戦う者である」というものがあります。
かっこよすぎる・・・
白衣の天使・・・(゚Д゚;)!!!
結果、病院内の死亡率を40%から5%までに下げ、多くの命を救いました。
それは彼女のたぐいまれな観察眼と行動力があったからでしょう。
ナイチンゲールは臨床者というよりも政治家の様ですよね。
財力と人脈を使った政治的な働きかけで世の中を大きく動かしました。(しかもかなり強引なやり方で。)
そんな強さを持ちわせるナイチンゲールですが、最大の功績は衛生学の基礎を作ったことではないでしょうか。
医療現場に明確に衛生観念を持ち込み、患者やベット、病院を清潔に保つ事を必死に訴え、
時にはこれを渋る長官とまで持ち前の行動力で戦って断行し、女王までも動かして実現させました。
それまではシーツも包帯も使い回しで汚染されまくりで、
細菌感染により死亡する兵士が圧倒的に多かったそうです。
医者も看護師も、患者を診るのにいちいち手なんか洗わない時代です。
下水の上に適当に蓋をしてその上に病院を建てて、のちに建物が腐食してきても気にしない時代です。
ナイチンゲールは患者の衛生面を重視し、シーツは使うたびに洗濯し、
新しい清潔な包帯を使い、患者の身の回りを清潔に保つことを徹底しました。
そして患者に寄り添った精神的なケアを行うことによって、死亡率が画期的に低下したのです。
統計学が得意だったナイチンゲールは、この病院での死亡統計などをまとめ、提出するなど、
看護以外の場でも、その後の世界を大きく変える活動を行いました。
才能・知識・行動力・人脈・政治力、そして行き過ぎるほどの使命感を併せ持った改革者。
人も物もお金も使えるものは使い倒す!!!
『こんな人、実在したのか?』と思いますが、実在したんですよね~。
みなさんのナイチンゲール像からは、かけ離れた人物ではないですか?笑
聖母のような人だと思われがちですが、その破天荒さのすべては
“目の前の患者さんのため” と、芯のあるかっこいい女性です。
ナイチンゲールの偉業はまだまだあり、だいぶ割愛しましたが・・・それでも長くなりましたね(◎_◎;)笑
最後までお付き合いいただきありがとうございました!